瞑想のやり方・効果・種類。できる限りまとめます

あっ!瞑想!

瞑想コラム

「すごい瞑想」は、やり方と効果に矛盾を感じる本でした。

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先日「すごい瞑想」という本を読みました。

なので、その感想を書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

「すごい瞑想」のターゲット層

 

 

女性向けの本だと思います。

実際「第3章 女性のストレス、男性の苦しみを瞑想で消す!」の多くが、女性向けの内容でした。

男性に向けて書かれてもいたのですが、女性と比べるとわずかですね。

 

また瞑想としては、入門書にあたると思います。

「瞑想のことをほとんど知らない。でも興味は少しだけある」というような人向けの本ですね。

 

 

「すごい瞑想」の短いまとめ

 

 

「すごい瞑想」の内容を、ギュッと短くまとめるとこんな感じです↓

 

内容まとめ

  • 王道の瞑想について書かれた本ではない。筆者オリジナル(?)の「リラックス瞑想」についての本。
  • マントラの音をメロディにのせ歌いながら、瞑想の感覚とつなげるというやり方。
  • 瞑想のやり方については、あまり具体的には書かれていない(筆者は細かさにとらわれないやり方を重要視されているので、あえて細かく書いていないのかもしれません)。
  • 瞑想方法は集中系(サマタ瞑想)の要素が強い。しかし書かれている瞑想の効果については、観察系(ヴィパッサナー瞑想)の要素が多分に含まれていて、矛盾を感じる。

 

 

私が読もうと思ったきっかけ

 

 

私が「すごい瞑想」を読もうと思ったきっかけは、↓です。

 

読むきっかけ

  • アマゾンで「瞑想」で検索した結果、Kindle Unlimitedの中では一番上に表示された。
  • 読み放題でなければ手に取らない本だったので、こういう本にはどういうことが書かれているのか興味をもった。
  • 筆者の惣領智子氏のプロフィールに「6年で9000人を指導した沖縄のカリスマ瞑想家」と書かれており、興味をもった。

 

 

瞑想のやり方と効果の矛盾

 

 

先ほど↑の内容まとめ(要約)にも書きましたが、一番気になったのは「この本に書かれている瞑想方法は集中系(サマタ瞑想)の要素が強いのに、瞑想の効果については観察系(ヴィパッサナー瞑想)の要素が多分に含まれている」という点です。

 

 

仏教の瞑想は観察瞑想と集中瞑想に分かれる

 

 

「観察系?集中系?」という方もいらっしゃるかと思います。

仏教の瞑想は、大きく分けると2種類になります。

ヴィパッサナー瞑想(観察系)とサマタ瞑想(集中系)です。

私たちの身近なところで言うと、マインドフルネスは観察系です。

あとヨガを瞑想としてとらえるなら、集中系ですね。

 

なおヴィパッサナー瞑想とサマタ瞑想については、ひと通りまとめた記事がありますので、もしよろしければご覧ください↓

 

ヴィパッサナー瞑想とは?やり方は?ひと通りまとめました

 

サマタ瞑想とは?やり方は?「自我を増幅させてしまう」危険性に注意

 

 

やり方がサマタ瞑想ってどういうこと?

 

 

この本に書かれている瞑想法は、サマタ瞑想の要素が強いと書きました。

たとえば本の中でマントラが出てきますが(↓)、サマタ瞑想にはマントラを唱えて集中を深める方法があります。

 

私が瞑想をするとき、また瞑想指導をするときにもマントラを使います。

マントラの波動をメロディにのせて歌うと、瞑想に入りやすくなるのです。

 

 

また本の中では、瞑想にヨガの要素も取り入れています。

これも先ほど書いたとおり、サマタ瞑想の要素になります。

 

あと瞑想中は「雑念を取り合わず、放っておく」と書かれています↓

ここからもこの本で書かれているやり方が、サマタ瞑想の要素が強いことがうかがえます。

 

雑念は、滞ったり絡まったりしているエネルギーを、解放する過程で湧いてきます。

雑念は思い浮かんだと同時に解放されると思ってください。

そう考えると、取り合わず、放っておくことができますね。

 

 

でも、効果はヴィパッサナー?!

 

 

↑で説明したとおり、この本に書かれている瞑想のやり方は、サマタ瞑想の要素が強いことが分かります。

しかしこの本に書かれている瞑想の効果に関しては、サマタ瞑想ではなくヴィパッサナー瞑想によって得られるとされているものが書かれています。

 

たとえばわかりやすいのは↓です。

 

瞑想を続けている人が共通してよく言うのは、 「いろいろなことに対するこだわりや執着が少なくなった」ということです。

 

たとえば、受け入れがたいことに直面したとき、ほとんどの人が、怒りや恐怖の感情を持つでしょう。

あなたはそのマイナスの感情を、どのくらい持ち続けていますか?

感情の抱え方には、個人差もあるでしょうが、瞑想を続けていくと、その感情を持ち続ける時間が短くなっていきます。

その瞬間に湧いてきた感情が、時間とともに、流れるように薄れていくようになるのです。

 

 

マハーシ式ヴィパッサナー瞑想で有名なマハーシ氏も仰るとおり、執着が少なくなるというのは、ヴィパッサナー瞑想の代表的な効果で、サマタ瞑想では得られないとされています↓

 

サマタ瞑想法において渇愛、見への依存を取り除く、執着を取り除くことはありません。

正しくは生、滅、生じる原因、滅する原因を念じるのはヴィパッサナー瞑想のみです。

渇愛、見の依存を無くす、執着を取り除くなどもヴィパッサナー瞑想のみです。

 

 

なおマハーシ式ヴィパッサナー瞑想に関しては、まとめた記事があるので(↓)よろしければご参照くださいませ。

 

マハーシ式(マハシ式)ヴィパッサナー瞑想とは?最大の特徴は「ラベリング」

 

 

私が矛盾を感じているのは、このような理由によるものです。

ただ数少ないながらも、本にはヴィパッサナー瞑想の要素も全く書かれてないとは言えなかったので(↓)、もしかすると本には書かれていないやり方も実際には多くなされているのかもしれません。

 

身体には〝意識を向けたところのエネルギーを調えようとする〟働きがあります。身体のどこかの部位に意識を向けると、その部分の血流がよくなったり痛みが引いたりするのです。

あなたにもそんな経験はありませんか?

 

 

ちなみに、↑で書いた矛盾の他にも「?」と感じるところがあったのですが、書くと長くなりそうなので、該当部分の引用だけさせてください↓

 

苦しいことが起きても、 「これはいいことが起こるプロセスの一つなのだ」と、肯定的にとらえるようになり、深刻さがなくなっていきます。

 

瞑想中に生命エネルギーが循環し始めると、その流れに同調して、〝気がつくと身体が勝手に動いている〟という場合があります。

少し不思議な話に聞こえるかもしれませんが、じつは、それほど珍しい反応ではないのです。

滞っているあなたの生命エネルギーが、本来あるべきように流れようとしているのです。

 

 

邪定の危険性

 

 

最初に述べたとおり、私はこの本のターゲットから大きく外れていると思っています。

ですので私の感想はともかくとして、結果的にターゲット層の方々にとって有益であればそれで良いという姿勢でおります。

ただ一点、ターゲット層の方々にとって危険につながりかねない部分があると感じたので、最後に書かせてください。

「邪定」についてです。

 

 

邪定って何?

 

 

もともと集中瞑想(サマタ瞑想)は、煩悩が消えていくように設計されています。

しかし音楽などの力を借りる形で集中を深めると、煩悩をもったまま瞑想状態(トランス状態)に入り、煩悩が消えるどころか逆に強化される可能性があるのです。

この「瞑想によって、煩悩を強めてしまう」ことを、邪定といいます。

 

邪定については、瞑想と音楽についての記事の中で触れたことがあります。

よろしければ、ご覧ください↓

 

そもそも瞑想に音楽は効果的なのか

 

 

工夫が仇になってしまう可能性について

 

 

この本の中では「マントラをメロディにのせて瞑想する」「香りやキャンドルなどを工夫して、瞑想演出をする」と書かれています↓

 

私は今、 マントラの音 をメロディにのせ歌いながら瞑想の感覚とつなげるリラックス瞑想の指導をしています。

 

服装もそうですが、香りやキャンドルなどを工夫して、瞑想演出をしてみると、ちょっと違った感覚を楽しむことができます。

 

 

確かにこれらの工夫によって、より簡単に瞑想状態(トランス状態)に入ることができます。

しかしこのやり方を続けると、邪定にも入りやすくなってしまう危険性があるのではないかと思う次第です。

 

邪定の危険性がよく分かる体験記事がありました↓

具体的に書かれていて、オススメです。

 

 note(ノート) 
私が邪定に陥った理由|Takayuki Sakuraba|note
https://note.mu/gensibukkyou/n/n108eab03f1e9
邪定(ミッチャーサマタ)、禁じられた瞑想。私の言葉で邪定を一言で表すならそれは「麻薬」である。一度服用すると副作用に苦しむことになる。ここで私の体験を記すのは、読者の方に私と同じように邪定に陥って欲しくないためである。私のように「ちょっと間違えて邪...

 

 

 

以上です。

最後までご覧くださいまして、誠にありがとうございました。

 

 

 

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