まず↓が、本記事をギュッと短くしたまとめです。
本記事の短いまとめ
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ボディスキャンは、身体全体をジックリ感じる瞑想法。なので、普段気づかない身体の不調に気づきやすい。
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感情は、脳より先に身体が反応することが多い(鳥肌など)。なのでボディスキャン瞑想によって、感情をうまくコントロールできるようになる。
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身体全体に意識を向けると、目が休まる。普段ほとんどの情報を目から得ている私たちにとって、身体全体の感覚に意識を向けるボディスキャン瞑想は大きなリラックス効果につながる。
それでは具体的に見ていきましょう。
【ボディスキャン瞑想の効果1】身体の不調に気づきやすい
あわただしい日常の中で、私たちが自分の身体にじっくりと目を向ける時間は非常に少ないです。
当然ですが身体感覚は、意識されなければされないほどドンドン鈍くなります。
つまり普段身体感覚に目を向けない私たちは、身体からのSOSにどんどん気づかないようになってしまいます。
ボディスキャンは、身体全体の感覚にジックリ意識を向ける瞑想法です。
身体全体の感覚にジックリ意識を向ければ、身体感覚は当然するどくなっていきます。
実際、メンタル産業医の奥田弘美氏も、ボディスキャン瞑想には心身の不調に早めに気づける効果があるとおっしゃっています↓
マインドフルネス瞑想はいくつも種類があるのですが、このボディスキャン瞑想はその中でも特に体と対話し、体と心のつながりを回復させる効果の高い瞑想法です。
時間に追われた慌ただしい毎日を送っていると、体からのメッセージを感じ取る能力が衰えてしまいます。
このボディスキャン瞑想を行うことで体に表れている筋肉のこわばりや心の緊張に気づきやすくなります。
また体全体をじっくり感じることで、普段は気づかずにいる体からのメッセージを受け止められる、体や心の不調に早めに気づけるようになります。
【ボディスキャン瞑想の効果2】イライラや怒りを抑えることができる
私たちは、自分の感情を脳や心で認識するものと考えがちです。
ですが例えば「鳥肌が立つ」なんかは違いますよね。
脳や心より先に、体が反応を起こします。
それを見て初めて、自分の感情に気づいたりします。
そして鳥肌のように、体が先に反応するような例は他にもたくさんあります。
ボディスキャンは、身体の微細な感覚に意識を向ける瞑想法です。
ですのでボディスキャン瞑想を行うことで、自分がまだ気づいていないような微細な感情にも気づくことができる。
結果的にボディスキャン瞑想は、感情をうまくコントロールできる効果をもたらすというワケです。
実際、臨済宗僧侶の川上全龍氏もこのようにおっしゃっています↓
一般的に感情は脳で感じるものと考えられています。
でも実際は鳥肌が立ったり、そわそわしたりとか、体が先に反応した情報を脳が分析していることも多い。
体の反応に敏感になると、感情をうまくコントロールできるようになるのです
【ボディスキャン瞑想の効果3】瞑想していない時間もリラックスできる
ボディスキャンは、身体感覚に意識を向ける瞑想法です。
そのためボディスキャン瞑想が習慣化すると、日常生活の瞑想を特にしていない時間でも、自然と身体感覚に意識を向けることができるようになります。
現代人は、8~9割の情報を視覚から得ているそうです↓
人が得る情報の八割から九割は視覚に由来すると言われています。
確かに私たちが普段、どれだけの時間をスマートフォンに費やしているか考えただけでも、納得できる話ですよね。
これは見方を変えれば、「現代人は自分の目をコキ使いすぎている」とも言えます。
一方、こんな研究結果があります。
人は触覚に意識が向いているとき、視覚を抑制するそうです↓
立教大学現代心理学部の日高聡太准教授と立教大学大学院現代心理学研究科博士後期課程の井手正和氏は、触覚情報がむしろ視覚情報を見えづらくする(抑制効果)ことを世界に先駆けて見いだしました。
何回もくり返してきたとおり、ボディスキャンは身体全体の感覚に意識を向ける瞑想法です。
そして面積だけで言えば、体の外側のほとんどの感覚は「触覚」です。
つまりボディスキャンは、触覚(体性感覚)に意識を向ける瞑想法と言っても過言ではありません。
いや、ちょっと過言かもしれませんが(笑)
何にせよボディスキャン瞑想は、「視覚偏重を是正して、感覚全体のバランスをとる」という意味において、あなた自身を休めることにもつながると言えそうです。
私の体験から見る「ボディスキャン瞑想の効果」への感想
「身体の不調に気づきやすい」というのは、実感が強いです。
実際、私はボディスキャン瞑想を始めてから明らかに病気が減りました。
もちろんゼロではありませんが。
病気に関しては、治りも早くなりました。
これも明らかに、ボディスキャン瞑想を始めてからですね。
例えば。
息子の病気が妻にうつり、その後私にうつるパターンがこれまで何回かあったのですが、治る順番は全て私→息子→妻でした。
お腹が痛いと感じたら、お腹の中の本当に痛い部分の身体感覚に意識を向けます。
そうすると、痛みがやわらいでいくのですね。
もちろん程度によって違いますが。
腹痛のとき、誰かにお腹をさすってもらうことってよくありますよね。
あれはもちろんお腹の外側なのですが、私の身体感覚に意識を向けるというのは、お腹の中の痛い部分を自分の手でさすっているようなイメージです。
「イライラを抑える」についても、如実に効果を実感しています(ただ「感情をコントロールできる」という表現は、若干シックリきていません)。
私の場合は、段階が大きく2つありました。
最初はイライラや怒りが、身体の特定部分にあらわれていることに気づけるようになります。
後頭部だったり、胃や胸のあたりだったり。
イライラがあらわれている部分の身体感覚に意識を向けていると、そのうちイライラがふわっとなくなっていきます。
アメリカ人ジャーナリストのロバート・ライト氏の著書「なぜ今、仏教なのか」にも、私と似た体験をされている箇所がありますので、引用させてください↓
なんであれ自分がかかえている感覚を観察する。
その時点で下腹部の怒りの感覚にはっきり気づいた。
その感覚にしっかり目をすえる。
ほんの数秒のあいだ明晰に観察すると、怒りは完全に溶けてしまった。
まるで自分の注目が破壊レーザー光線で、怒りの感覚が敵の宇宙船のようだった。
そうやって、身体感覚に意識を向けることでイライラや怒りの感情が消えることを経験していくうちに、イライラや怒りの感情自体が起こりにくくなります。
これももちろん、ゼロではありませんが。
「リラックス」に関しても、効果を実感しています。
一般的な意味でのリラックスというか、自分の身体への感じ方が大きく変わったように思います。
一方では自分の身体が、あらゆるものと一体化するような感覚を持ちながらも、同時に自分の身体がハッキリと「ココにある」という充実感(?)みたいなものもある。
この辺については短くご説明できる自信が全くないので、今後もし機会があれば、改めて書かせてください。
以上です。
なお「他の瞑想の効果も知りたい」という方は、↓をご覧くださいませ。
最後までご覧くださいまして、誠にありがとうございました。